
英語に限らず多国語を学ぶときに大事な要素があります。
それは統語論(syntax)・意味論(semantics)・音韻論(phonology)。
簡単に言うと「構造」「音」「意味」です。
この3つをバランスよく高めることが多国語習得に繋がります。
今回紹介するのは、リスニングです。
今や殆どの大学で英語のリスニング試験が行われています。
さらに、新たに始まった「大学入学共通テスト」では、前身のセンター試験よりもリスニングの比重が大きくなり、リスニングの重要度が高くなっています。
リスニングはしっかりと対策しないと点数を伸ばしていくことは難しいです。
ただ、リスニングの習得には知らなければ実力に結びつかない正しい学習方法があります。それを知らないことで学習法が定まっておらず「何をしていいのか分からない」と悩み、リスニングの習得を疎かにしている生徒さんをたくさん見ます。
この正しいリスニングの正しい学習法は高校の教師でさえ知らない方がたくさんいるので、自分で身に付けていきましょう。
☆基本情報
『キムタツの東大英語リスニング』はその名前の通り東大を意識して作成された参考書です。なので難易度はかなり高く、リスニングがある程度できる人でも苦労するでしょう。
しかし、逆を言えばこれさえできるようになると日本の全ての大学入試において英語のリスニングは網羅できます。また、他参考書にない有効な戦略がいくつも記載されているので、他大学を受験する人もぜひ使ってみるべきです。キムタツのリスニングシリーズを解けるようになれば、本番でも8割程度得点できる実力はつけることができます。
☆キムタツ リスニングの良い点
1.リスニング英文が非常に長い
大学受験のリスニング教材で500語級のリスニングを扱う参考書は超珍しいです。今のところ、『キムタツの東大英語リスニング』しか確認してないです。
まず500語以上の長文をリスニングさせる大学は東大くらいです。だからこそ、『キムタツの東大英語リスニング』は本当に貴重なリスニング教材です。
東大英語は500語英文に設問5つの形式から成ります。長い文章の中から、たった5つの情報をピンポイントで抜き出すのは至難の業です。
練習を積まなければ、余計な情報に邪魔され最後まで集中力がもたなくなります。
この本はここを克服できます。
2.具体的なリスニング戦略が16個紹介
よほど自信があれば別ですが、500語という長文を、何の作戦もなしにリスニングするのは若干無謀です。
『キムタツの東大英語リスニング』ではリスニングに必要な戦略を全部で16個紹介してくれます。
そこには「心構え」や「注目ポイント」、「よく出題される表現」や「聞き間違いやすい単語」を紹介してくれています。
例えば、以下のような受験生が欲しい情報がたくさん載せられています。
・聞き取る前にまずは発音の練習
・聞き取れない理由は・・・
「効率的に点数を取る」ということを重視しているので、短期間で実力をつけていくことができます。
さらに他の参考書とは比べ物にならないくらい解説が丁寧です。
一般的な参考書では、解答とスクリプトが書いてある程度ですがキムタツは違います。
それに加えて、具体的な解く手順についても説明してくれるのです。
例えば、以下のような解説がすべての問題に載っています。
・話題がハヤブサなので、前の問題に引き続きロンの話に注目する。すると設問と同じセンテンスが現われる。One usual fact …の部分がそのまま流れるのでbuildを聞き取ろう。(b)放送分を聞くと…(引用元:キムタツの東大英語リスニング)
このように、どの英単語を注意して聞くべきかも理解することができます。
自分で分析しなくても、灘校の英語教師キムタツがリスニング戦略を分析してくれているわけです。
3.激レアなノイズ付き教材
『キムタツの東大英語リスニング』のリスニング教材にはノイズや騒音が入っています。本番の入試では、そういった環境とも戦わなければならない。不十分な環境でのリスニングに慣れないといけない。
『キムタツの東大英語リスニング』はその練習もできます。
リスニング学習時はイヤホンではなくスピーカーで聞くようにしてください。後の学習例で説明します。
リスニング問題のレベルも高いですし、特殊な状況の対策にも使える最強の1冊です。
☆キムタツの東大英語リスニング各シリーズの内容
レベル:東大入試リスニング入門
問題数:Exercise3題
Trial Test10題
東大入試10年分のTrial Test10題。全部で30題のリスニング問題が収録されています。
後半にいくにつれて難しくなる仕様です。リスニング教材としてレベルは非常に高く、東大本番も7割はとれるレベルに到達できます。
どの問題も500~600語で本番と同じ形式、同じレベルのリスニング問題となっています。
あと現役東大生の受験勉強のエピソードや東大での生活と受験生へのメッセージ、さらに東大合格を目指す灘高生が、「なぜ東大に入りたいのか」「東大を出たら何をしたいか」などについて熱く語ってくれています。
レベル:東大入試7割
問題数:Exercise5題
Trial Test10題
2種類の問題が収録されています。
Exerciseは「100語弱の練習問題」で「問いは1つずつ」の簡単なリスニング問題。
Trial Testは本番形式の問題です。全部で20題ありますが、後半にいくにつれて問題文は長く、問いは多くなります。
Trial Test1は「150語+問い3つ」ですが、Trial Test20「500語+問い5つ」と後半は東大本番とまったく同じ問題形式です。
リスニング問題のレベルは上位私大~難関大レベルで、やり遂げれば難関大の英語リスニングは余裕だと思います。音源はそこまで速くないです。
レベル:東大入試9割
問題数:Trial Test10題
東大本番のリスニングでも難しい問題と同じレベルを集めた感じです。
しかも、本番の悪い音質を考慮した、ノイズまで付いている東大対策っぷり。
英文のスピードは、回を追うごとに読み上げが速くなる3段階。音質が悪いと言われる本試験を、エアコンのノイズやホールの反響などのノイズで再現するなど、「SUPER」ならではの新要素も盛りだくさんです!
当然のように難しいリスニング問題を邪魔ものアリで解くには、相当なリスニング能力と忍耐力が必要です。東大対策にここまで適切な教材はない。
そして本巻にもあります! Kimutatsu’s Cafe
モチベーションを刺激してくれるキムタツ先生ご自身やお知り合いの先生からのメッセージ、キムタツ先生の教え子の方々や、ブログで募った全国の新東大生へのインタビューが記載されています
☆キムタツの東大英語リスニングシリーズの学習例
どの教科も参考書で勉強する目的や目的意識を持って取り組んでください。
リスニング学習のやり方で良くないのは、英語音声をただ聞き流したり、洋楽で勉強しようとしたりすること、英語の字幕なしで洋画や海外ドラマ・ニュースを観ること、ノーマルスピードの英語でもちゃんと聞き取れていないのに2倍速とかで聞くことです。自分の英語リスニング力を過信していてはダメです。基本的に、リスニング学習は「自分の聞き取れない英語を聞き取れるようにする練習」が大切です。
問題を通して自分は何を学ぶべきなのか、その問題のポイントはなんなのかということを抽出したうえで、それをしっかり反復し、自分の実力にしていくことが大事です。
単元ごとに、これはなぜこの解答を選ぶのか、どこに着眼したら良いのかというようなことをしっかり意識して学習していってください。
キムタツの東大英語リスニングシリーズの構成
Strategy:リスニング攻略の心構え
Exercise:実際に問題を解いてみる
Trial Test:本番形式の最終テスト
この要素を最大限に活かしていきます。
〇 学習例
STEP 1:まずは参考書を1回流し読みする
STEP 2:普通に問題を解いてみる
STEP 3:答え合わせをしてスクリプトを見て聞きなおす
STEP 4:5回以上音読する
STEP 5:5回以上シャドーイング
STEP 1:まずは参考書を1回流し読みする
キムタツのリスニングシリーズを購入したら、まずは1回さらっと読んでしまいましょう。
Strategyの部分は、問題の前に読んでおくことで、リスニングに対する考え方を学ぶことができます。
そこまで時間もかからないので、問題を解く前の準備段階としてここは徹底するようにしてください。
STEP 2:普通に問題を解いてみる
次にExercise、Trial Testを解き進めていきましょう。最初は自分なりの解き方で構いません。ここで意識してほしいことは、『本番と同じ状況で取り組む』ということです。
例えば下記はリスニング学習する際で基本となるので確認しておいてください。
・イヤホンでなくスピーカーで練習する
・多少の雑音がある中で取り組む
イヤホンは直接音が入ってくるので難易度が下がります。上記をするだで本番での得点率が変わってくるので実践してみてください。
STEP 3:答え合わせをしてスクリプトを見て聞きなおす
問題を解き終わったら、答え合わせをしていきましょう。
そして、答え合わせが終わったらスクリプトを見て、もう1回聞き直していくことが大切です。これによって、「自分が聞いていた音がどの英語なのか」ということを理解することができます。
この『音と文字の関連付け』をしていおくことで後々の成績に大きく影響します。
余裕があればディクテーション(聞き取った音声を、そのまま書き取ること)もしてみてください。リスニング力に直接繋がるかはまだはっきりしていませんが、英語彙力や英文法緑など英語力全体の向上には確実に繋がります。
STEP 4:5回以上音読する
リスニング学習をする際に、一番大事と断言できるのが『音読』です。
問題をすべて復習し終わったら、リスニングの音源を最低5回は音読をしましょう。
ただ、読んでいる英文の意味などを把握できていない状態で読んでいるのは何の効果もなく、単に口の筋肉を鍛えているだけになってしまいます。
それでは全く意味がありません。
なので、英文を読みながら、頭の中で英文の意味とSVOCなどの構文を同時に理解していくことが大事です。
初見の英文で実践するのは中々難しいと思うので、次のような英文を選んで音読していくようにしましょう。
・1度じっくりと読んだことがあって、意味や構文をしっかりと理解している英文
・学校などの授業で取り組んだことがあり、しっかりと頭の中に染み付いている英文
英語の音読をする際には、ダラダラと読むのではなく出来るだけ早いスピードで読むことが大事です。それは音読の効果の1つに「速読力を向上させる」ことがあるからです。
少しずつ英文を読むスピードを上げていく
⇩
スピードに頭が慣れる
⇩
英文を理解するスピードが上がる
このような流れで速読力がどんどんと向上していくのです。
なので、どんどん読むスピードは上げてくようにしましょう。
STEP 5:5回以上シャドーイング
音読をする際はシャドーウィング(英語を聞きながらそれを真似して発音する通訳訓練法のこと)も活用してください。音楽で「かえるのうた」でよく使われる輪唱のような物です。
例えば「I study English every day」という文があったとしたら下記のように読んでいきましょう。
音源 I study English every day
音読 ・・・I study English every day
ただ、間違ったやり方で行うと力はつきません。例えば、
・音声のスピードが速くてシャドーイングでついていけてない
・音声と自分の声が混じり、正しくシャドーイングできず、発音がごまかしがちになる
・シャドーイングの発音時に躓いたり言い間違えて学習の効果を感じられない
このような学習をしていると時間がもったいないです。
正しいやり方としては、
1.まず音声なしでテキストのみを読んで意味を理解する
2.テキストを見ながら音声を聞き込む
3.テキストを見ながらシャドーイング
4.テキストを見ずにシャドーイング
となります。
シャドーイングで英語独特のスピード感やリズムに慣れていくことができます。
☆「キムタツシリーズ」を用いた志望校合格のための勉強計画の作成
「キムタツの東大英語リスニングシリーズ」は以下より購入できます。早速スタートしていきましょう。
また、キムタツの東大英語リスニングシリーズを使用する上で大切になるのが「いつの時期にどれくらいのペースで勉強するのか」という学習計画です。
英語勉強の中でも単語ではなくて文法・英文解釈・長文読解・リスニングのいずれかをまずは鍛えるべきかもしれませんし、そもそも英語より数学をやるべきかもしれません。
塾や予備校、学習アプリ等を利用していても一番学力が身に付く自習の質が悪いと時間を無駄に消費することになります。難関大合格のためには自習時間の中でいつ何をすれば良いのかが最重要なのです。しかし、この計画を個別最適で作成することは高校生自身は言うまでもなく、大手予備校と言えど困難です。それは作成者が難関大合格へ戦略を知っている事と生徒一人一人の現状を正確に判断する必要があるからです。
これらの課題にを解決するのが、
『東大生による難関大合格の為の学習計画作成 リモディ』です。
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